エンジニアが考える、不動産業界AI化の最前線 (3/5)
部門横断的なAI活用事例
——システム開発と直接関係のない、例えば人事や総務、営業部門などからも相談が来ることはありますか?
はい。最近では、経営企画室からM&A対象企業のPDF情報から必要な情報を抽出し、市場情報と合わせて分析したいという要望が来ました。これまでは人が分析していた業務ですが、AIに一度やらせることで大幅な効率化が見込めます。Geminiの精度も上がり、Web検索の領域も強くなっているので、情報の鮮度に関する課題も解消されつつあります。面白かったのは、不動産売買をしているインベスト部門からの相談です。不動産を仕入れる際に「重要事項説明書」を受領するのですが、買い取った物件をリノベーションして再販する際、この「重要事項説明書」を作り直す必要があります。
——買った時とリフォーム後で間取りや条件が変わるためでしょうか?
変わる部分もありますが、基本的には変わらない部分も多いんです。そこで、最初のPDF形式の重要事項説明書から情報を読み取り、弊社のフォーマットに転記する作業をAIで自動化できないか、という相談を受けています。これまでは手打ちで行っており、フォーマットの違いによる表記の揺れも課題でした。
——人間が最終的にチェックするにしても、AIが多くを埋めた状態でフォーマット化されたものが上がってくるんですね。
はい、AIがその揺らぎをある程度担保したうえで転記してくれるようになります。多様なPDFフォーマットからAIが共通項目を読み取ってくれるので、単純に作業数が減り、非常に便利になりますね。AI推進においては技術的な側面が課題になることが多いので、そういった点で私の出番だと感じています。
