AI活用で実現する不動産業界の未来と、顧客体験向上の秘訣 (3/6)
顧客体験向上にもAIを活用!チャットボットで問い合わせ対応を効率化
——ほかにも生成AIを活用して取り組んでいることはありますか?
契約後の入居者向けアプリ『AMBITION Me』というサービスで、これまで入居者の方からのお問い合わせは一次受付としてコールセンターに外注していましたが、現在入居者の方からの『AMBITION Me』での問い合わせ対応には生成AIを活用しています。効果としては、コールセンターの費用削減だと考えています。入居者の方からの問い合わせだと、契約内容の確認や設備の故障の相談、退去に関わる事項も多いですが、これまでコールセンターに電話がかかってきた問い合わせを、『AMBITION Me』を使い、チャット上で解決するケースが増えています。AI活用で顧客体験も大事にしていきたいので、シナリオ型で選択肢を選んでいく形式だけでなく、フリーワードでの検索や入力もできるようにしています。
——シナリオで選択しながら進めていくチャットボットだと、聞きたい選択肢がなかったり、もっと聞きたいことがあるのにチャットが終わってしまったりしますよね。
従来のシナリオ型だけだと、最初の大項目のカテゴリー選択を間違えたことで最後まで進めても振り出しに戻されるケースもあり、使う方にとっては不便です。ただ一方、何も選択肢がないと自由すぎて難易度が上がります。現状の最適解としては、シナリオ型とフリーワード検索のハイブリッドと考えています。最初は対話型のみだったのですが、表記の揺れや質問の粒度が人によって全く異なるという課題が出てきたんです。最初の失敗は、回答自体を生成AIに作らせる方法をとっていたことです。
——いわゆる、“The 生成AI”の使い方ですね。
ある日、入居者の方から「壁紙が破れています。どうしたらいいですか?」という質問を受けた際に、『ホームセンターに行って壁紙を買ってきてください。』と回答してしまいました。常に監視しているので適切に対応はしましたが、焦りました。あくまで会社としての立場や役割で回答しなくてはいけないのに一般論で返してしまうんですよね。この失敗を経てからは、まずFAQを作成し、登録した回答の中から返信させるという運営方法にしました。登録をしたFAQの中で、表現やニュアンスを汲み取り、入居者の方はこういう質問をしているという理解をするところにAIの力を借りました。